2009年5月3日日曜日

決定版 仕事は楽しいかね? 会社の宝になる方法 デイル ドーテン 著

さらに続けてシリーズ第3冊目です。



本書は前作までと違い、ビジネスの天才マックス・エルモアと甥、そのフィアンセの会話という設定で書かれています。ただ、内容は前作からさらに上級レベル(?)に発展したものになっていて、「会社の宝」と呼ぶべき人物とはどういう資質を持っているのかということについて述べられています。

まず、「会社の宝」というのは、あらゆる機会を捉えて人とは違う存在になろうとする人材とのこと。非常識とも思われる行動を通して論理の逆を突き、従来の論理とは異なる飛躍した論理で解決法を見出すことが重要と述べられれています。

これは日本人にとってはかなり違和感のある考え方なのではないでしょうか。典型的な日本企業では、まず現場の仕事を覚え、次にジョブローテーションで会社内の一通りの仕事を覚えて、そこで培った経験で勝負するという形が多いですよね。人とは違う意見を持つ人は、どちらかというと脇に追いやられるケースが多いような気がします。でも、同じ業種のあらゆる会社がある程度のレベルの仕事をする現在、会社が成長するためにはそういう積み重ねでは遅いのではないでしょうか。新たな考えは良いものであればどんどん取り入れ、他社よりも一刻も早く成長することが企業には求められているのではないかと思います。そういう意味で、「従来の理論とは異なるアプローチで解決法を見出す」という考え方は、今後ますます重要になるでしょう。具体的には、上司がびっくりするような案を少なくとも一つは用意することも重要と本書では述べられています。
#ただ、こういうことって意外に難しいんですよね・・・。(^ ^;;)

また、前作では「自分が幸せになれるような仕事を選べ」とありましたが、本書では「顧客の幸せのために一緒に働こうと誘うようなアイデア」を見出すべきと述べています。顧客、同僚・上司・部下、自分。全員が幸せになれるようなアイデアや仕事が見つかれば、本当に理想的ですよね。でも、それを見つけるのは難しいですよね・・・でもそんなことを言っていてはダメってことでしょう。

最後に、「人よりも多く質問をすること」を本書では奨励しています。これは私も社会人になったばかりの頃良く言われました。でも、的外れな質問をたくさんしてもあまり意味はないですし、私自身どう考えるべきか悩むことが多かったです。本書ではそれに対して、仕事に情熱を注ぐことでアイデアを磁石のように引き付けられる、と述べています。仕事に情熱を持っているから、矛盾する点があればすぐに気づいて、質問しないではいられなくなる、という感じでしょうか。また、周りの人について深く学び、人間としての深みを増すことも重要とのこと。これについては斉藤孝さんの「質問力」等にも同じようなことが書かれていました。一朝一夕にはできないことですが、常にこころがける必要がありますね。

これでシリーズ3作すべて読んだことになります。私は一気に読んでしまいましたが、キャリアのステップに応じて分けて書かれているので、1作目から順に適切な時期に読むと、より面白いのではないかと思います。

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