2009年12月28日月曜日

齋藤孝のざっくり!世界史

最近歴史が流行っているらしですね。何でも山川出版の「もういちど読む山川日本史/世界史」がもの凄く売れてるとか。なつかしいですね。高校時代に山川出版の教科書使ってましたよ。

で、早速本屋で手に取ってみたんですが、なんだかあまりに「教科書」っぽくてちょっと断念・・・。代わりにこんな本を読んでみました。

何より「ざっくり」というのが良いですね!


この本、世界史そのものというより、歴史に対する著者の解釈の色が濃いです。著者の世界史に対する解釈は非常に鋭く、いろいろと考えさせられます。トピックとしては、帝国主義が蔓延った理由、資本主義と社会主義の関係、キリスト教とイスラム教の関係、金(Gold)に対する人の価値観、性と宗教の関係などがあり、またそれらのトピックの間の関係性についても述べられていて、世界史の全体像を掴むには最適の本になっています。

さらに、例えば資本主義と社会主義に関する議論は、現代の世の中が上手くいかない原因を考えるのにも役立ちます。人間の欲望を前提にした資本主義と、理論的に理想を突き詰めた社会主義、どちらも結局完全ではないということですね。

ただ、全体として著者の言いたいことがそのまま書いてあるという感じで冗長な記述も多く、Referenceとして何度も読み返せるような本ではありません。また、あくまで「ひとつの解釈」として受け入れるべき内容で、例えばこれから世界史を勉強する高校生が読むべきかというと、ちょっと微妙です。変な先入観が植え付けられてしまうかもしれません。

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